まあ、あれです。
社会勉強と腹をくくって?今日は衣装合わせです。。。
初めまして監督の○○です。
初めましてカメラの○○です。
初めまして衣装の○○です。
初めましてメイクの○○です。
・・・・・・・
「あっ、はっ初めまして。」
どうするよぉ。なんか居づらいよ。
取材とは全く違う空気に早くも動揺するマスター。。。
「はいっ、じゃあ何枚か写真を撮りますんでこちらにいいですか?」
「(・・・・・これは、回りが真っ白な・・・女の子がこんな感じの
ところに立って撮られてるのには何回も同席したけど
まさか自分がこの白い中に立つなんて・・・・・)」
「どうぞっ。」
「あっ、はい。」
「スーツはいつもそんな感じですか?」
「はい、こんな感じです。(が何か?)」
「ワイシャツは青とかピンクとかは持ってますか?」
「はい、青は持ってないけどピンクはあります。(が何か?)」
「髪型はいつもそんな感じですか?」
「はい、長年こんな感じですが。(で何か問題でも?)」
なんだ・・・よってたかって・・・
目の前にいるこの5人は俺を観察して何をしようと・・・
「・・・・と、そんな雰囲気でどうでしょう。監督。」
「ですねぇ、それくらいしちゃった方が逆にいいですね。」
逆にって・・・何と逆だ???
どのくらいしちゃうんだ?
しちゃうって何だ?
「失礼しま~す。」
「・・・・・・・」
んっ?なんか髪の毛いじられはじめたぞ。
えっ、そこは7対3じゃあ無いですか?
7対3は無でしょう。
「で、ここでくりんとなって、横はカールで…」
えええええええええええええええええええええええ
いっつもUNOのスプレーで風が吹いても崩れない。
アーム筆入れもビックリ、あっ、それは
象が踏んでも壊れない。
最近でこそ、風が吹いたらちょっとは風になびく感じだけど
そんなとこで分けちゃったらオデコが…
一生懸命家では薬用ジェルをして
外では何とか目立たないようにしてるのに…
ええええええええええええええええええええええええ
カールって。。。
「普段はメガネとか掛けますか?」
「全然っ、目は悪くは無い・・・・・・」
「メガネ持ってきて~」
「・・・・・・・・・」
「はいっ、お疲れさまでした。」
「・・・・・・・・・オツカレサマデシタ。」
シーンは帰りの車の中。
昭和通りを一人タバコを吹かしながら車を走らせるマスター。
春だというのに、少し開けた窓からの風が冷たい事に気付く。
音も出さずにただDVDでは中島美嘉が
冷たい視線を投げかけているように思える…
早稲田通りに差し掛かると駅前では
学生たちがまるでゴミの山のように群がり
そのゴミはひとつひとつがうごめいている。
これから来る現実の厳しさも予想もせずに…
車の中の静寂とは裏腹な光景が
今日は何故か苛立ちを覚えるマスター。。。
まあ、あれですよ。それが厳しさってやつですよ。
ええ、そうでしょう。
だって…あのメガネ…
アンタッチャブルの片方が掛けてる感じですもん。。。
はあ~。